2015年2月27日金曜日

京都祇園会館の映写機

懐かしの京都・祇園会館

京都の映画館のさきがけとなった祇園会館は、1958年完成。今、その姿をそのままに、よしもとの劇場となっており演芸を公演しています。2階の階段の踊り場を見ると古い映写機が展示してありました。係の人に聞くと、なにげなく置いているということでした。近くで撮影できなかったので、ちょっと見えずらいですが、劇場も老築化しており、解体する時にはこの映写機も廃棄処分になるのではと、胸を痛める。2012年3月30日に映画上映を終了した
正面のモザイクも当時のまま

この祇園会館を訪れたのは、本プロジェクトのプロデューサー平林の友人である栗田邦夫監督が学生時代に35mmフイルム映画を作成し、上映する予定だった映画館。ここでちょっとしたいたずらがあり、フイルムを隠して上映できなかったという事件が勃発。結局、見つかることになるが、このニュースによって、より多くのお客様が来てくださったという良い結果になりました。

ひっそりと映写機

受付風景 絵画も照明もほぼ当時のまま

懐かしの絨毯、昔はこんな階段でし

2015年2月8日日曜日

懐かしきフイルム映画アーカイブス

平成26年度多摩美術大学共同研究
「映像表現の源流を検証する」上映会に行ってきました

【フィルムセンター特別映写観覧】
2015 年1 月7 日(水) 16:00~17:00
東京国立近代美術館フィルムセンター 小ホール
解説:檜山茂雄(多摩美大学准教授)
参加費無料、事前登録制(定員120 名)

2015年新年早々に、多摩美術大学大学造形表現学部映画演劇学科の檜山茂雄先生よりお招きがあり「映像表現の源流を検証する」という上映会に、委員と行ってきました。

檜山先生の解説のあとに上映会

多摩美の大学生を中心に映像に興味ある一般の皆さんも参加
映像演劇学科では、平成26 年度多摩美術大学共同研究「映像表現の源流を検証する」の一環として、リュミエール兄弟のシネマトグラフ登場後120 年の今日的意味、および日本に渡来した活動写真の特別上映会を行ないます。どなたでも参加出来ます。一緒に、映像表現の源流を検証しましょう。(大学の催事案内WEBより転載)

『1895-6 FIRST PROGRAMS (リュミエール、最初の映画作品群から)(15分)
リュミエールが撮影した映像の初めは、工場の扉から出てくる工員たちの姿でした。どんどん出てくる。自転車に乗った人も忙しく出てくる。そして、池に小舟を浮かべて遊ぶ子供たち、ルノワールの絵画のように庭で食事をとる人々・・・。

『明治の日本 1896-1900』(25分/はじめて撮影された日本の記録』
着物姿で町を歩く人々、料亭でしょうか人力車に乗る芸者さんたち。池のほとりで日本舞踊を踊る女性たちなど、当時珍しいカメラの前で堂々と演じている様子に驚いた。

『歌舞伎十八番 紅葉狩(日活版)(デジタル復元)』(4分/1899年/撮影:柴田常吉)
九代目市川団十郎、五代目尾上菊五郎が、屋外演じている珍しい映像。これは日本最古にあたる映画で2009年重要文化財に指定された作品。外で演じていることを快く思わなかった団十郎。存命中には公開しなかったという。

この3本を見て気がついたのはカメラが動いていないということ。映す対象が動いている。現在のテレビはカメラが意志をもってモノを映してゆく。それに慣れた目には新鮮な映像だった。100年以上前のフイルム映像にくぎ付けの1時間でした。

そもそも懐かしきフイルム映画アーカイブスとは

日露戦争を生き残ったカメラ、1964年東京オリンピックを撮影したカメラ。そんなフイルムカメラが姿を消そうとしています。映画用カメラやフイルム映画を記録保存するアーカイブスプロジェクトです。
現在は、フイルムで映画と撮影する時代ではなくなりましたが、現在まで映画を支えてきたのが、フイルムカメラです。そのカメラ本体を保存する博物館もなく、破棄されているのが現状です。また木製三脚も映画会社やテレビ局で使用されていたものが次々と廃棄されています。

そこで、このプロジェクトは、映像でフイルムカメラ本体や三脚含め周辺機材を映像で残そうとするもので、映画関係者有志が集まり、「フイルム映画アーカイブス製作委員会」を立ち上げました。映画や機材の歴史を映像でまとめるもので、フイルム時代の映画監督、撮影監督、俳優さんたちにも登場して頂き、フイルム映画を語って頂きます。


『ヒューゴの不思議な発明』で使用された箱型カメラWilliam


このカメラは、イギリスのウィリアムソン社が1906年頃に発売したといわれる木製の映画撮影用カメラ。世界で映画が誕生したされるのが1895年といわれていますので、大変貴重なカメラです。現在日本で保管されており、このアーカイブスコレクションの中でも大変重要なカメラです。


映画「ヒューゴの不思議な発明」で使用されたWilliam

ジョルジュ・メリエスが映画監督だったころ

物語は1930年年代のパリから始まる。
回顧シーンのスタジオでの映画撮影。カメラ2台
『ヒューゴの不思議な発明』は、2011年のアメリカのドラマ映画。ブライアン・セルズニックの小説『ユゴーの不思議な発明』を原作とする、マーティン・スコセッシ初の3D映画である。第84回アカデミー賞では同年最多の11部門にノミネートされ、5部門で受賞を果たした。


回転台に乗せてアリフレックス撮影開始(不二技研)
ナックで見せて頂いたカメラ

皆さんと一緒に映画の歴史を残したい

こういった貴重なカメラの歴史や形状自体を残そうとするものですが、カメラ一台一台に歴史があります。その歴史を次の世代に渡していきたいというのが、私たちの気持ちです。

記録するカメラはおよそ100台あります。その一台一台を記録してまいりたいと思いますが、このプロジェクトを推進してゆくために、最低限の撮影、編集、DVD化という作業があり、その費用を皆さんに協力頂き、失われつつある映画の財産を一緒に守っていきたいと考えています。

進めるにあたっては10分程度のパイロット版のDVDを作成したいと考えております。このパイロット版の製作資金を集めるためにクラウドファンディングのシステムを活用させて頂き、広く支援者を募りたいと考えております。Makuakeというクラウドファンディングをスタートいたしますので、ご協力のほど、宜しくお願い致します。

今後、お知らせを随時あげてまいりますので、宜しくお願い致します。